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除草剤

プロの農家が語る除草剤の選び方

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←グリホ系除草剤の特徴

アミノ酸除草剤以外にも多種多様な除草剤

さて、ここまで除草剤の代表選手として、アミノ酸系除草剤(グリホ剤))について見てみました。グリホ剤は何でも枯らす非選択性ですので、たとえば芝生の雑草に除草剤を使う時には、芝生専用の選択性除草剤を使います。このように除草剤には様々な種類があります・・・と言っても、一般家庭で、除草剤を使いたいなぁという場合には、グリホ剤と芝生用除草剤があれば充分対応できそうなものです。一方で、農業の現場では用途にあわせて、いくつかのタイプの除草剤が使われています。

ここでは、(筆者の判断で)比較的ベターな除草剤の系列のものを5タイプの除草剤に分類して紹介しています。中には、グリホ剤に比べると、毒性の強いものもありますが、この項で紹介している5種類は「農耕地用」ですので、比較的安全性の高いものです。それぞれの除草剤について栽培する環境や作物とごとに厳い使用基準がもうけられているため、通常の使用では安全です。ここでとりあげる5種類は、比較的安全性や環境負荷が少ないと思われ、なおかつ農業現場でスタンダードに使われているものです。

主な除草剤(農耕地用)の5タイプ分類

1)一晩で溶かすように枯らしてしまうもの(パラコート系)

2)土壌表面にあらかじめまいて、発芽させないようにするもの(表面処理剤)

3)イネ科植物にはまったく作用しない(or影響がほとんどない)選択制除草剤(稲や芝生の除草剤)

4)微生物が生成した殺草成分を利用するもの(ビアホラス系)

5)アミノ酸系(グリホ剤)


1)パラコート系(+ジクワット)

パラコート系の除草剤は、農業で使われる農薬・除草剤のなかで最も毒性が強く取り扱いに特に注意を要する除草剤で、なにより植物を一晩で枯らしてしまうため、イメージがあまりよくありません。人畜毒性が強いことと、即効的に枯らしてしまうため、除草剤の悪いイメージは、この系列の除草剤からうまれている気がします。ただし、その悪いイメージは誤解の部分もあるように思います。

医薬外毒物(毒物は劇物より強い)に認定されているものですので、一般の人は入手する機会はまずありませんが、農協などで販売されています。農協でも、購入には住所氏名捺印が必要で、農協も知らない顔の一見客には販売しないでしょう。こんなキケンな薬ですので、散布者である農家も使用には特に注意が必要で、中毒事故も多いです。農家にとっては、こんなリスクを負ってまでってことになりますが、農家生産の合理化上どうしてもこのタイプの除草剤を使う場面も少なくありません。

ただしここで誤解してほしくないのは、次ぎのポイントです。「こんな毒性の強いものが農作物栽培に使われているなんて・・・」と過度に心配する必要はないということです。なぜなら、この除草剤の成分が、農作物経由で口に入ることはありえません。だって、かかったら、一晩で溶けるように枯れてしまいますので。また、パラコート系の除草剤は、グリホ剤(アミノ酸系)と違って、浸透移行性がありません。つまりかかったところだけが枯れる、逆に言えば、枯れなかったところに、この成分が移動していることはない、わけです。ですから、このパラコート剤に被曝した植物が収穫されることは、論理上あり得ないわけです。

人畜への毒性があまりにも強いので使用時には危険が伴う除草剤ですが、パラコート剤が使用された畑の農産物だからといって、その農産物の安全性を疑う必要は全くありません。残留性という点においてはおおむね安全と言えるでしょう。

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2)土壌表面処理除草剤

表面処理剤は、畝をたてたあと、植付け前までに、あらかじめまいておくタイプの除草剤で、いわば「雑草予防剤」です。農業生産現場では、花などでよく使われますが、野菜でも、たとえばニンジンやネギのように葉っぱが陰を作らないため雑草に弱い作物で、使用されます。もちろん安全な使用法が定められていて、散布から収穫までの間、数ヶ月が経過するわけですので、その間にある程度分解されるので、基準通りの使用をする限り健康に影響がでるような量が収穫物に残留することはあり得ないことになっています。しかし、土壌表面で分解されていない化学物質と作物が栽培期間中に共存するわけですから、植物体内に除草剤成分が取り込まれるリスクを背負っているのが、この土壌処理タイプの除草剤といわざるを得ないと思います。

(1)のパラコート系や(5)のアミノ酸系などを使っていても、収穫される農作物にそれらの成分が残留する可能性は論理上きわめて低いわけですが、このタイプのものは、それらに比べると、リスクがあるわけです。もちろん、これらの土壌散布型の除草剤も、規定の使い方をすれば、できた農産物が健康被害を与えるようなことは絶対に無いとされています。

また、同じような土壌散布型の除草剤でも、農作物のある畑では使用できない非農耕地用土壌処理除草剤( →箱系除草剤)もあるので注意してください

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3)選択制除草剤(稲や芝用)

ある雑草にだけ作用して特定の有用作物には効かない除草剤を選択性除草剤と言います。選択制除草剤といっても、選択の幅は広くありません。日本で主に使用されているのは、稲に効かないが他の雑草に効くタイプの選択性除草剤です。稲作の合理化・省力化が日本人にとっては重要なテーマであったため、稲に効かない除草剤の研究が進んだというわけです。イネ用の選択性除草剤と一口にいっても、いくつかの成分があります。

古くは2-4-Dというホルモン剤がイネ科用の選択性除草剤として使われていましたが(2-4-Dも現役ですが)、最近はSU剤(=スルホニルウレア系)のベンスルフロンメチルなどが主流です。SU剤はアミノ酸生合成阻害剤(アセトラクテート合成阻害剤)です。(注:いわゆるアミノ酸系=グリホ剤とは別モノ)アミノ酸生合成阻害剤すなわちタンパク質の生成に影響を与えるものですが、イネに対して活性が極めて低い(効きにくい)化合物を選抜し、雑草は枯れてイネには事実上影響がないという選択性を作り出しています。このSU剤にヒエ剤(メフェナセットなど)を組み合わせた「水稲一発処理剤」の普及で、稲作の除草作業が飛躍的に合理化し、質量価格ともに安定して米が提供されているわけです。

主食の米生産の安定合理化ということを考えると、除草剤の恩恵は日本国民みなが受けているということを否定できないと思います。

選択性除草剤は、作物の栽培期間中に使用され、微量だとしても、作物自体にもその成分が吸収されるという意味においては、多少リスキーな除草剤といえます。しかし、日本人の主食である米の除草剤は、厳しい安全基準をクリヤしたものが製品化されていますので、通常の使用では害がでることはありません。


4)微物由来の合成除草剤

(4)ビアホラスは微生物が作り出した成分をもとにした除草剤です。化学合成物ではなく く、天然由来の物質が成分であるため、比較的イメージが良いでしょう。ただし、分類上はあくまで化学農薬のひとつであり、いわゆる微生物資材ではありません。天然物質とはいえ、自然界に存在し得ない莫大な成分密度が出現するわけですから、環境を人為的に撹乱していることは否めませんが、比較的リスクが低い除草剤です。副次的に葉ダニ殺虫効果があります。
※ハービー液剤は製造中止となり現在ビアホラス系除草剤の商品は販売されていません

5)アミノ酸系

アミノ酸系(グリホ剤)については別項参照≫≫アミノ酸系除草剤とは

以上,タイプ別に除草剤の性質とリスクを探ってみました。除草剤は種類によって、リスクに程度の差があることを是非,理解していただきたいと思います

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◯より専門的な情報は以下のサイトより
植物調節剤研究会
農水省の農薬のコーナー・除草剤が正しく登録されているかチェック
農薬ネット・有名な農薬掲示板があるサイトです
グリーンジャパン・トップ→農薬情報→除草剤で
雑草図鑑・JA全農の雑草図鑑。除草剤情報はごく一部のみ掲載
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