忍者ブログ

除草剤

プロの農家が語る除草剤の選び方

スポンサーリンク

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

←グリホ系除草剤の特徴

アミノ酸除草剤以外にも多種多様な除草剤

さて、ここまで除草剤の代表選手として、アミノ酸系除草剤(グリホ剤))について見てみました。グリホ剤は何でも枯らす非選択性ですので、たとえば芝生の雑草に除草剤を使う時には、芝生専用の選択性除草剤を使います。このように除草剤には様々な種類があります・・・と言っても、一般家庭で、除草剤を使いたいなぁという場合には、グリホ剤と芝生用除草剤があれば充分対応できそうなものです。一方で、農業の現場では用途にあわせて、いくつかのタイプの除草剤が使われています。

ここでは、(筆者の判断で)比較的ベターな除草剤の系列のものを5タイプの除草剤に分類して紹介しています。中には、グリホ剤に比べると、毒性の強いものもありますが、この項で紹介している5種類は「農耕地用」ですので、比較的安全性の高いものです。それぞれの除草剤について栽培する環境や作物とごとに厳い使用基準がもうけられているため、通常の使用では安全です。ここでとりあげる5種類は、比較的安全性や環境負荷が少ないと思われ、なおかつ農業現場でスタンダードに使われているものです。

主な除草剤(農耕地用)の5タイプ分類

1)一晩で溶かすように枯らしてしまうもの(パラコート系)

2)土壌表面にあらかじめまいて、発芽させないようにするもの(表面処理剤)

3)イネ科植物にはまったく作用しない(or影響がほとんどない)選択制除草剤(稲や芝生の除草剤)

4)微生物が生成した殺草成分を利用するもの(ビアホラス系)

5)アミノ酸系(グリホ剤)


1)パラコート系(+ジクワット)

パラコート系の除草剤は、農業で使われる農薬・除草剤のなかで最も毒性が強く取り扱いに特に注意を要する除草剤で、なにより植物を一晩で枯らしてしまうため、イメージがあまりよくありません。人畜毒性が強いことと、即効的に枯らしてしまうため、除草剤の悪いイメージは、この系列の除草剤からうまれている気がします。ただし、その悪いイメージは誤解の部分もあるように思います。

医薬外毒物(毒物は劇物より強い)に認定されているものですので、一般の人は入手する機会はまずありませんが、農協などで販売されています。農協でも、購入には住所氏名捺印が必要で、農協も知らない顔の一見客には販売しないでしょう。こんなキケンな薬ですので、散布者である農家も使用には特に注意が必要で、中毒事故も多いです。農家にとっては、こんなリスクを負ってまでってことになりますが、農家生産の合理化上どうしてもこのタイプの除草剤を使う場面も少なくありません。

ただしここで誤解してほしくないのは、次ぎのポイントです。「こんな毒性の強いものが農作物栽培に使われているなんて・・・」と過度に心配する必要はないということです。なぜなら、この除草剤の成分が、農作物経由で口に入ることはありえません。だって、かかったら、一晩で溶けるように枯れてしまいますので。また、パラコート系の除草剤は、グリホ剤(アミノ酸系)と違って、浸透移行性がありません。つまりかかったところだけが枯れる、逆に言えば、枯れなかったところに、この成分が移動していることはない、わけです。ですから、このパラコート剤に被曝した植物が収穫されることは、論理上あり得ないわけです。

人畜への毒性があまりにも強いので使用時には危険が伴う除草剤ですが、パラコート剤が使用された畑の農産物だからといって、その農産物の安全性を疑う必要は全くありません。残留性という点においてはおおむね安全と言えるでしょう。

プリグロックスL 詳細サイト


2)土壌表面処理除草剤

表面処理剤は、畝をたてたあと、植付け前までに、あらかじめまいておくタイプの除草剤で、いわば「雑草予防剤」です。農業生産現場では、花などでよく使われますが、野菜でも、たとえばニンジンやネギのように葉っぱが陰を作らないため雑草に弱い作物で、使用されます。もちろん安全な使用法が定められていて、散布から収穫までの間、数ヶ月が経過するわけですので、その間にある程度分解されるので、基準通りの使用をする限り健康に影響がでるような量が収穫物に残留することはあり得ないことになっています。しかし、土壌表面で分解されていない化学物質と作物が栽培期間中に共存するわけですから、植物体内に除草剤成分が取り込まれるリスクを背負っているのが、この土壌処理タイプの除草剤といわざるを得ないと思います。

(1)のパラコート系や(5)のアミノ酸系などを使っていても、収穫される農作物にそれらの成分が残留する可能性は論理上きわめて低いわけですが、このタイプのものは、それらに比べると、リスクがあるわけです。もちろん、これらの土壌散布型の除草剤も、規定の使い方をすれば、できた農産物が健康被害を与えるようなことは絶対に無いとされています。

また、同じような土壌散布型の除草剤でも、農作物のある畑では使用できない非農耕地用土壌処理除草剤( →箱系除草剤)もあるので注意してください

★野菜に使える植付け前処理の除草剤(※野菜の種類は限定されています)
 農薬 除草剤 ゴーゴーサン細粒剤F 3kg

 農薬 除草剤 ゴーゴーサン細粒剤F 3kg
価格:1,378円(税込、送料別)

3)選択制除草剤(稲や芝用)

ある雑草にだけ作用して特定の有用作物には効かない除草剤を選択性除草剤と言います。選択制除草剤といっても、選択の幅は広くありません。日本で主に使用されているのは、稲に効かないが他の雑草に効くタイプの選択性除草剤です。稲作の合理化・省力化が日本人にとっては重要なテーマであったため、稲に効かない除草剤の研究が進んだというわけです。イネ用の選択性除草剤と一口にいっても、いくつかの成分があります。

古くは2-4-Dというホルモン剤がイネ科用の選択性除草剤として使われていましたが(2-4-Dも現役ですが)、最近はSU剤(=スルホニルウレア系)のベンスルフロンメチルなどが主流です。SU剤はアミノ酸生合成阻害剤(アセトラクテート合成阻害剤)です。(注:いわゆるアミノ酸系=グリホ剤とは別モノ)アミノ酸生合成阻害剤すなわちタンパク質の生成に影響を与えるものですが、イネに対して活性が極めて低い(効きにくい)化合物を選抜し、雑草は枯れてイネには事実上影響がないという選択性を作り出しています。このSU剤にヒエ剤(メフェナセットなど)を組み合わせた「水稲一発処理剤」の普及で、稲作の除草作業が飛躍的に合理化し、質量価格ともに安定して米が提供されているわけです。

主食の米生産の安定合理化ということを考えると、除草剤の恩恵は日本国民みなが受けているということを否定できないと思います。

選択性除草剤は、作物の栽培期間中に使用され、微量だとしても、作物自体にもその成分が吸収されるという意味においては、多少リスキーな除草剤といえます。しかし、日本人の主食である米の除草剤は、厳しい安全基準をクリヤしたものが製品化されていますので、通常の使用では害がでることはありません。


4)微物由来の合成除草剤

(4)ビアホラスは微生物が作り出した成分をもとにした除草剤です。化学合成物ではなく く、天然由来の物質が成分であるため、比較的イメージが良いでしょう。ただし、分類上はあくまで化学農薬のひとつであり、いわゆる微生物資材ではありません。天然物質とはいえ、自然界に存在し得ない莫大な成分密度が出現するわけですから、環境を人為的に撹乱していることは否めませんが、比較的リスクが低い除草剤です。副次的に葉ダニ殺虫効果があります。
※ハービー液剤は製造中止となり現在ビアホラス系除草剤の商品は販売されていません

5)アミノ酸系

アミノ酸系(グリホ剤)については別項参照≫≫アミノ酸系除草剤とは

以上,タイプ別に除草剤の性質とリスクを探ってみました。除草剤は種類によって、リスクに程度の差があることを是非,理解していただきたいと思います

PR

超強力なハコ系除草剤(非農耕地用)

何時の頃からか、ホームセンターなどで、洗剤のような箱に入った粒(粉)状の除草剤が売られるようになりました。いろいろな成分のものがありますが、よく流通しているのは、「長期間草を抑える!」「屋敷・駐車場用」などと書かれているタイプの非農耕地用の除草剤です。全ての草木を枯らす非選択性除草剤です。

このようなタイプのものを、このサイトでは便宜上「箱系除草剤」と呼びましょう。「箱系(はこけい)」の成分はDCMUを中心にDPA,DBN,DCBN,イソウロンなどで、これらは土壌中に長期残留し根から吸収されて、非選択的に植物を根から枯らします。生えている雑草だけでなく発芽も阻害するので、長期間(半年〜1年近く)草が生えてこないほどです。超強力すぎるので、あくまで非農耕地用です。畑(プロはもちろん家庭菜園でも)では使えませんし、このテの除草剤を処理したところは、しばらく畑にできません。


箱系VSアミノ酸系

非選択的に根っこまで枯らすという点だけをみれば、箱系除草剤とアミノ酸系(グリホ剤orグルホシ剤)は、似ています。しかし、ほんとうの効果や安全性は全く違います。グリホ剤は葉茎のみから吸収され根からは吸収されません。たとえば、グリホ剤は木のそばや下草に散布しても、木の葉に直接かかなければ、木は枯れずにそばの雑草だけ枯れます。しかし「箱系除草剤」は根っこから吸収されますので、木のそばの雑草にまいた場合、木まで枯らしてしまうので、注意が必要です。

また、グリホ剤は土壌で全く効果がなくなるので、生えている雑草のみに作用し、落ちている種には全く効きません。ですので、グリホ剤を使用して1カ月もするかしないかのうちに、雑草の陰になっていた種が一斉に芽吹きます。グリホ剤で雑草を完全に駆除するには、1月から1月半ぐらの間に最低でも2回散布しないと、雑草が無くなりません。その点「箱系除草剤」は一発で植物を全滅させるわけです!


箱系の粒剤は散布超ラク!

箱系除草剤は液体除草剤に比べて、「散布がラク」というのも特徴です。

ふつうの液体除草剤の手順はたとえばこんな感じです。→→→噴霧器を用意する→→→手袋マスクや場合によってはカッパを着用する→→→ややこしい倍率計算をする→→→原液を緊張しつつ扱い希釈液を作る→→→慎重に風向きを考えて散布開始→→→噴霧器のノズルが詰まってしまい中断・清掃→→→散布再開→→→あまった散布液の捨て場所に悩む→→→噴霧器の清掃→→→顔に少しかかってしまったので石けんで顔を洗う→→→おわり。

という具合に、ちょっとした面積を除草するのにも、けっこう大仕事です。

ところが「箱系」なら、手袋マスク着用→→→箱の蓋をあける→→→散布→→→蓋を閉めてしまう→→→おわり。

格段に便利です。しかも草を長期に抑えてくれるなんて、やっぱ「箱系」が便利かなぁと思ってしまいますよね。でも、筆者は「箱系除草剤」は使おうとは思いません。アミノ酸系で事足りますので。

箱系除草剤は確かに、散布がラク、長期間雑草を抑制します。でも、非選択性的になんでも枯らす目的なら、アミノ酸系(グリホサートやグルホシネート)を2回使えばいいのです。多少、面倒でも、やはり環境的なリスクを考えると、筆者の場合は「箱系除草剤」はちょっと躊躇してしまいますね。そもそも畑に箱系は絶対に使えませんが、たとえ屋敷内駐車場でも、アミノ酸系を使います。


箱系除草剤の成分は2系統ある

一口に「箱系除草剤」といっても成分はいろいろですので、まず成分を確認してみましょう。よく目につくのは、(1)DCMUをベースに他にDCBN,イソウロン,メトリブジン,シアナジンなどを加えたもの(2)カルブチレートのものがあります。DCMU系とカルプチレート系に分類できそうですが、このDCMUとカルプチレートともに光合成阻害作用で草を枯らすものです。

さて(1)DCMU(別名ジウロン)は最近あまり評判がよくありません。PRTR指定(参照→PRTRとは?)の化学物質ということもあるし、DCMUは除草剤以外にも船の船体塗料に使われていて、海洋汚染(サンゴなど)が疑われているからです。(1)DCMU系に比べると(2)カルブチレート系のものが、比較的マシかもしれません。カルブチレート系除草剤は、林業の下草管理などでの使用が認められていて、比較的環境影響は少ないと思われる薬です。


カルブチレートを成分とする箱系除草剤
カダン・オールキラー≫詳細


結局のところ「箱系」は・・・

いずれにせよ、非選択的に草木を枯らすという目的であれば、「箱系除草剤」ではなくアミノ酸系で充分対応できます。目的達成のためにはどちらの手段でもよいわけです。確かに「箱系除草剤」はラクで、一度枯らすとしばらく草が生えてきません。そもそも箱系除草剤で使われる成分は鉄道や道路管理などの要求から作られています。そうした成分を家庭用にしたのが、箱系除草剤です。つまり箱系除草剤はちょっこラクをするために作られています。そして、ちょっとラクをするために、環境リスクが疑われている化学物質を散布するのか? それとも少し手間でも環境に優しいとされる化学物質を散布するのか? その選択権はユーザーであるみなさんにあるわけです。

DCMU +他成分の箱系除草剤

【写真左上より】クサノンDX(メトリブジン・DBN・DCMU)、GFクサレンジャー(ブロマシル・DCMU)、ネコソギエースA粒剤(イソウロン・DBN・DCMU)、草退治粒剤(シアナジン・DCBN・DCMU)、GFダイロン微粒剤(DCMU)、クサダウンA粒剤(MCPP・DCMU・DPA)、クサノンMP粒剤(イソウロン・テトラピオン・DCMU・DPA)、クサノンQ微粒剤(グルホシネート・メトリブジン・DCMU)

DCMU以外の成分の箱系除草剤

【写真左より】クサキング粒剤(成分イソウロン)、カソロン(成分DBN)、ハイバーX粒剤(成分プロマシル)


【おまけのキュー&エー】(文責は当サイト管理人A.S.による)
Q :「箱系除草剤」を使った後に、雑草が無くなったので花やハーブを植えたくなりました。でも除草剤の残留が心配です
A:そういうことなら、はじめから土壌に残留しないアミノ酸系除草剤を使ってください(笑)。どうしても箱系除草剤跡地に花を植えたいなら→こんな商品←があります。ハーブは食べるかもしれないので1年以上は植えないほうがいいんじゃないでしょうか。

アミノ酸系除草剤・・・分解が早く環境に優しい。根までしっかり枯らす。非選択性だが、土からは吸収されないので隣の木は枯れない。芝生には使用不可

ラウンドアップ・シャワー  家庭用・グリホサート剤安心のブランド品。そのままちょこっとスプレー
グリホエキス ジェネリック的アミノ酸除草剤 希釈して使用
アミノ酸系除草剤に必須のラウンドノズル。手押しの噴霧器に装着可能
バスタ。グルホシネートのそのまま希釈せずに使えるタイプ散布剤。スギナが多いところではこちらがおすすめ。

比較的安全な芝生除草剤

アージラン液剤 イネ科目キク科マメ科などオールマイティーに効く芝生に使える選択性除草剤。葉茎吸収形なので土壌に優しい。気温による倍率調整が必要。カヤツリ草には劣る。プロ用商品しかないが敢て紹介
バナフィン粒剤  ほとんどの雑草に効果がある雑草発生予防剤。植付け後や春先などに散布して予防。芝生用。菜園では使用不可。

無農薬除草剤で安心なのはコレ!・・・無農薬系の除草剤というものが最近はいくつも商品化されていて、中にはビミョーなものもあると思います。安心できる無農薬除草剤は、重曹です。

> 重曹除草マニュアル付き。最近は無農薬系除草剤なども発売されているが、それよりもまず重曹の除草剤利用に挑戦してみよう。
スポンサードリンク
除草剤リンク

◯より専門的な情報は以下のサイトより
植物調節剤研究会
農水省の農薬のコーナー・除草剤が正しく登録されているかチェック
農薬ネット・有名な農薬掲示板があるサイトです
グリーンジャパン・トップ→農薬情報→除草剤で
雑草図鑑・JA全農の雑草図鑑。除草剤情報はごく一部のみ掲載
PRTR指定検索

ブログ内検索
◯この除草剤ブログは、(兼業)畑作農家である筆者A.S.が、ふだん除草剤を使っているときに、思ったり考えたりしたことなどをまとめています。このサイトへのリンクはご自由にどうぞ。このサイトの除草剤の分類法などに関しては←こちらへ
当サイトの記事の著作権は管理人である兼業畑作人A.S.に属します

ブログランキング
track feed
除草剤 technora
スポンサードリンク

スポンサードリンク


忍者ブログ[PR]
【背景画像】Graphic by (c)Tomo.Yun URL(http://www.yunphoto.net )
【ご注意】このサイト「除草剤」は特に除草剤を擁護するものでも批判するものでもなく、また特定の成分の除草剤を推奨するわけでもない筆者の中立的で曖昧なスタンスを予めご了承ください。【免責事項】このサイトの情報に起因する読者の結果については、読者の自己責任であり、当サイトおよび管理人の一切の責任は問われないむねにご同意した上でお読みください。【プライバシーポリシー】当サイト「除草剤」が収集した情報(アクセス解析によるIPアドレス・いただいたメールアドレス等)は当サイトの維持管理以外の目的には使用されません。また当サイトに掲載されているGoogleAdsense広告ではブラウザーのクッキー(cookie)機能やwebビーコン機能により、閲覧をトラッキングすることが可能となっています。なお、cookieにより閲覧者個人が特定されることはありません。閲覧者はブラウザーの「cookieを受け入れる」をオフにすることができ、クッキーによるトラッキングを避けることができます。
Copyright(c)2007 除草剤 all right reseved