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除草剤は悪く言われすぎ?

 除草剤というと、一般の方には、どうしても猛毒のような悪いイメージがあるかもしれません。環境破壊の代名詞として、とても悪いもののように考えている人が、少なくありません。除草剤と聞くだけで眉をしかめる方もいるでしょう。もちろん除草剤を使うからには、環境へのなんらかの影響が、多かれ少なかれあることは事実です。しかし必要最小限の使い方、選び方を考えれば、除草剤の存在意義も見えてくると思います。

 野外の現場では、除草剤は、いつも頼もしい存在です。除草剤は、農業生産をはじめ、道路・公園・鉄道・各種建物敷地内などいろいろな場所の管理現場で活躍するたいへん便利なものです。特に農耕地用の除草剤などは、安全性と環境への負荷がいかに少ないかを重視して開発されているので、正しい使い方をすれば、通常の範囲では問題ないでしょう。

除草剤と一口に言っても、さまざまなタイプがあり、種類や使われ方によっても、環境への影響や、人畜へのリスクも変わってきます。ですので、じっぱひとからげにして「除草剤=悪」と決めつけるのは、どうかとも思います。

市民権を得ている?アミノ酸系除草剤

最近では「環境に優しい除草剤」とされるアミノ酸系の除草剤の商品も増えて、庭や家庭菜園などでも気軽に使われるなど、除草剤も少しずつ市民権が得られているのかなぁと思えます。

 もちろん、除草剤の多くは、化学合成物質ですので、化学合成物質=未知なる危険がある異物・・・そんな考え方にのっとって言えば、危険なものかもしれません。また、アミノ酸系とは対照的にパラコート系など経口毒性の強い薬があるのも事実です。さらに、手軽に環境破壊できてしまう道具としての除草剤・・・そんな視点からすると、否定されるべきものかもしれません

 それでもやはり、私たちの快適で便利で「豊かな」生活にとって、除草剤が果たしている役割は、大きいと言わざるをえません。我々の現代的な日常生活で必要な化学物質は数多くあり、そのひとつのグループが除草剤だというふうに考えればいいのでないでしょうか? なんだか他の化学物質に比べて、除草剤は過度に敵視されているような気もします。

 このサイトでは、現代社会における除草剤の役割、各種除草剤の使い方や選び方、さらには、除草剤を使わない方法の模索などについて述べ、よりベターな選択の仕方を考えていきたいと思います。


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←除草剤は果たして悪者か?

今時、家族総出で草むしりなんてやる?

そもそも何で除草剤が必要なのでしょうか? たとえば、農業で考えた場合、まず、除草剤なんかない昔だったら人海戦術で草むしりをするとかやっていたわけです。昔の農家は、はじめから採算度外視というか、みな働き者で年寄りから子供まで常に無償で草むしりに動員されていました。もし今これをやろうとすると、コストがかかり過ぎる、というより、農産物価格が安く、はじめから草ムシリにかける経費なんかないので、現代のふつうの農業において草むしりは無償労働うんぬん以前に、もはや不可能に近くなっています。今どき子供を(体験的にはあるとしても)日常的に草むしりに駆り出す農家もいないでしょう。

除草剤を使わずに、草むしりすることで農産物の付加価値を上げ、草むしりぶんの経費を稼ぐ方法論も試みられています。シルバー人材でも頼んで手取り除草をやってみたとしても、草むしりというのはかなりのコストがかかりますので、雑草対策の技術、付加価値付けの販売技術など、採算ベースにのせるのには微妙な問題が出てきます。

薬剤を使わない除草方の例

そもそも雑草対策というものは、ただ闇雲やるというワケでもありません。除草剤を使わないといっても、ひたすら手取り除草だけではありません。雑草対策の戦略・ビジョンを持つべきです。たとえば、一年の雑草の周期を知り、早め早めに除草することで、効率を上げることができます。エンジン刈り払い機を使ったり、バーナーで焼いたりとか、表面だけ浅く耕うんするロータリーなどの機械も活躍します。こうしたものを駆使して、雑草が次ぎの種を作る前に先手先手で対策をしていけば、戦略的な雑草対策ができます。

さらに、一定の環境条件がととのえば、草むしりもせず除草剤も使わずに除草することもできます。たとえば動物を活かす田んぼのアイガモ除草や果樹園のアヒル除草などです。これらは微笑ましく楽しい農園を演出しますが、実際には動物の管理など、けっこう手間やコストがかかります。ビニールハウスでは、真夏にビニールシートを被せて草種を蒸し焼きにしてしまう方法もあります。海水や米ぬか木酢液などを除草剤代わりに使う方法も試みられています

これらの方法は、除草剤に比べると、時間、手間,場合によってはお金という大きなコストがかかりますが、そのぶん除草剤無使用!ということを販売価格に上乗せすれば、除草剤のない農業が実現できるのでは?と思えます。しかし、なかなかそれがスタンダードになってこないのは、どうしても庶民にとっては農産物(特に野菜など)は安かれ良かれがまだ主流で、高い農産物は売れにくいということがあるようです。庶民の環境や安全性への関心の高さの割には、有機農産物の市場の成長は伸び悩んでいるような状況からしても、価格と安全性をテンビンにかけた場合、微妙な選択がされているわけです。


←除草剤を使わない農業の方法

除草剤は安全な道具?

除草剤を使わない農業という夢・・しかし、現場ではなかなかそう簡単ではないようです。たとえば、除草剤の替わりに、刈り払い機を使えばいいじゃないか!と思います。しかしエンジン刈払機による事故は、農作業事故の上位を常に占めているのです。除草剤による中毒事故も稀にありますが、エンジン刈払機の事故は日常的におきているといっても過言ではないでしょう。作業する現場の農家にとっては、「エンジン刈り払い機よりも除草剤が遥かに安全な道具」なわけです。

なんとか付き合える雑草と、ダメな雑草

雑草をなんとか薬に頼らずにおさえていこうと思っても、なかなか手に負えない雑草があります。手に負えない雑草は、たいてい外来の雑草です。結論を言えば、もともと日本にはない外来雑草に対して除草剤の大きな存在意義があります。帰化植物と呼ばれるこれらの雑草は、もととも日本にあった雑草を駆逐して、すごい勢いで広がっていきます。先住の植物を駆逐するぐらいの力を持っているからこそ、「強い雑草」になるわけです。農家を悩ましている雑草の多くは帰化植物なのです。

もともと日本にある雑草ですと、春先の中耕(途中で耕すこと)を2〜3度やれば、あとは野菜が勝って雑草を気にならない程度に押さえてくれることも多いです。ある程度のバランスや季節感がある生え方をするのが、もともともの雑草なのです。こうした雑草は、人間と自然が織りなす「里山」の文化の中では、ときに薬草となったり、ときに敷草や草木灰の原料になったり、雑草との「上手い付き合い方」ができるのです。このような雑草ならば、植えた野菜を援護するようなスタンスで、雑草の出ばなをくじいてやれば、自然のリズムにのっとって、あとは雑草対策ができるというわけです。


←除草剤を使わない農業の方法

無除草剤栽培ができるのは寒い山奥だけ?

除草剤に頼らず、自然のリズムを活かして、雑草に負けない栽培・・・実際こうした方法は、家庭菜園以外の経済栽培の農業生産現場でも、高冷地や緯度の高い地域、山奥の村などにおいては、実現されていて一部では無除草剤栽培が可能になっています。しかし、暖地や平坦地など温暖で都市や交通網に近く人の往来があるような地域では、外来植物の勢いがすごく、植生がかなりアンバランスになっています。そういうところでは自然のリズムがうまいこと活かせません。

おうおうにして外来帰化雑草は、従来の日本の草より生育が早い、活動期間が長い、地下茎から栄養生殖ものが多い、などの理由で、これらの雑草の出ばなをくじいても、野菜の生長を追い抜いてしまうものが多いわけです。これくらい強い植物だからこそ、わざわざ外国まで来て勢力を拡大できるわけです

ひとたび地域に帰化雑草が侵入すると、もはやその脅威を取り除くことはできません。さらに、温暖化の影響で、植物の成長スピード自体が早くなっている、春先の雑草の出始めがはやいなど、温暖な傾向は繁殖力が強力な侵入雑草に有利と言えます。帰化雑草に追い風のなかで、雑草に対抗するには、もはや除草剤に頼らざるを得ない、というのが現場の声なのではないでしょうか。

除草剤使用と外来雑草侵入の悪循環

温暖化で雑草が猛威をふるうという影響は、、農業現場だけでなく、道路や鉄道や敷地などの植生管理現場でも今後ますます問題になってくるはずです。それと同時に除草剤耐性の雑草も増えはじめるでしょう。

外来雑草を相手に除草剤を使っていて思うことは、除草剤(特に非選択性除草剤)は、外来雑草とのイタチゴッゴだということです。除草剤をまいて、草が全く無い状態にしてしまうと、それは、外来雑草にとっては侵入して根ずく大きなチャンスとなります。除草剤の使用で、もともとの野草の生態系が断ち切られ何も無い空間が出現するということは、レースがリセットされゼロからのスタートになるため、繁殖力の強い植物に有利です。開発や除草剤によって一度、野草の生態系を破壊してしまうと、より繁殖力の強い植物にとって、有利な環境となるのです。

つまり、除草剤の使用が外来雑草の定着を促している面もあるのです。しかし、もはや除草剤を使わなくては強い外来雑草に勝てない。除草剤と外来雑草は「鶏と卵状態」です。除草剤を使いはじめると、外来雑草に対抗するために使い続けなくてはいけない、そんな悪循環がはじまってしまうわけです。


←温暖化が除草剤使用を加速させる?

ガラパゴス島を外来雑草から守った

除草剤と帰化植物の悪循環の話を書きましたが、除草剤で、帰化植物の脅威を駆逐したという例もあります。除草剤業界の神話的ともいえる美談のひとつとなっていますが、ガラパゴス島に侵入した帰化植物を退治して島の貴重な生態系を守るのに、環境に優しい除草剤が活躍したという有名な話があります。

これはラウンドアップの商品名でお馴染みの、グリシナート(別名グリホサートアンモニウム塩)を成分とするタイプの現在最もスタンダードな除草剤の話です。ラウンドアップの原料であるグリシナート(=グリホサート)はアミノ酸の一種であるグリシンとリン酸を結合させた化合物で、土壌中で微生物によってもとのアミノ酸に分解され残留しないため環境に優しいと言われてます。→ラウンドアップ公式サイト

グリホ剤は除草剤のスタンダード

グリシナートを原料とした除草剤はアミノ酸系除草剤とも呼ばれ今や除草剤のスタンダードです。また、業界ではグリホ剤などとも呼ばれていますが、老舗のラウンドアップという商品が一番有名で、とても重要な除草剤ですので是非、覚えてください。(グリシナート(グリホサートアンモニウム塩)を主成分とする除草剤をこのサイトでは主に「グリホ剤」と呼ぶことにします。)グリホ剤は、老舗のラウンドアップの他の商品名でもたくさん出ています。ラベルの成分のところで、グリシナートまたは、グリホサートアンモニウム塩と書かれていれば、このタイプの除草剤で、ほぼ同じものと考えていいでしょう。人やペットや環境に優しい除草剤として、共同購入グループなどでも売られているものもあります。

グリホ剤は、地面に落ちると、土壌に吸着され不活性化します。このことは、近くに生えている植物の根っこには影響しない、地下水を汚染しないことなどを意味しています。実際、泥水にグリホ剤を溶かして散布しても、効果が出ないようです。

そして、土に吸着されたグリシナートはどうなるのでしょう? グリシーナートは土壌中で2週間くらいで微生物によって、アミノ酸や水に分解されます。化学合成された物質は土壌中から消滅し、自然界に存在するものだけに分解されるのです。これが、グリホ剤(=アミノ酸系除草剤)が環境に影響を残さないと言われる理由です。まるで魔法のような除草剤なのです。

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←アミノ酸系除草剤の神話

アミノ酸の力で根まで枯らす

除草剤を使ってみようかなぁ思うのはどんな時でしょう・・・家庭菜園が荒れ果てて草ボウボウになってまった。屋敷の裏にススキが生えて困る。駐車場のアスファアルトの隙間の草がとってもとっても生えてくる

こんな場面では除草剤が便利です。先に紹介したグリホ剤を使うのが有効かと思われます。

グリホ剤の特徴として、土壌中でアミノ酸に分解されて環境に優しいということを書きましたが、このタイプの除草剤のもうひとつの特徴は「ちょこっと葉っぱにかけただけで、成分が根まで運ばれて、植物全体を枯らす」ということです。植物に吸収された後、除草剤の成分が、植物の体内全体に行きわたるのです。このことを浸透移行性と言います。浸透移行性があるグリホ剤(アミノ酸系除草剤)は「根まで枯らす」のが特徴なのです。

根まで枯らすというのは、何かとても恐ろしい毒物のように思われますが、それは、イメージ上の誤解です。実はただのアミノ酸だからこそ、根まで枯らすのです。

筆者は科学はシロウトですが、シロウトなりにこのアミノ酸系除草剤のメカニズムを、次ぎのようなイメージで理解しています。「本来植物が生成するはずのアミノ酸を外から与えることで、アミノ酸生成メカニズムが間違えて作動して枯れてしまう」といったイメージです

詳しいメカニズムはラウンドアップなどのメーカーのサイトの説明をご覧いただくとして、使用上のポイントとして押さえておきたいのは

1)植物の一部にかかっただけで、全体に行き渡り枯れる

2)根まで枯らすことができる

3)枯れるまでに1週間から1カ月などと時間がかかる

というところです。

それぞれの特徴をもう少し詳しくみてみましょう。



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◯より専門的な情報は以下のサイトより
植物調節剤研究会
農水省の農薬のコーナー・除草剤が正しく登録されているかチェック
農薬ネット・有名な農薬掲示板があるサイトです
グリーンジャパン・トップ→農薬情報→除草剤で
雑草図鑑・JA全農の雑草図鑑。除草剤情報はごく一部のみ掲載
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